温泉の種類と効能(その2)

 日本は各地に温泉がありますが、その種類と効能はそれぞれ異なります。そこで今回は温泉の種類のうち酸性泉、硫酸塩泉、硫黄泉、二酸化炭素泉、放射能泉の泉質と効能及び該当する温泉地について紹介します。

1.酸性泉

  ・泉質は塩酸、硫酸、ホウ酸を含む温泉であることから殺菌力や抗菌力に優れているため、皮膚病に効果を発揮します。しかしこの温泉は肌への刺激が強いため虚弱体質の

  方は入浴所間に注意が必要です。

   効能は慢性皮膚病、湿疹、水虫、貧血、慢性消化器疾患、外傷などに効果があります。

   該当する温泉地は玉川温泉(秋田県)、鳴子温泉(宮城県)、草津温泉(群馬県)、万座温泉(群馬県)、箱根温泉(神奈川県)、別府温泉(大分県)などです。

2.硫酸塩泉

  ・泉質は硫酸や塩分を含む温泉であることから、肌に温泉の成分が付着して温泉パックのような状況を作るため湯冷めしにくく「傷の湯」「脳卒中の湯」と呼ばれ、鎮静効果

  や血圧降下作用があります。

   効能は脳卒中、肝臓病、糖尿病、病後回復、疲労回復、ストレス解消、動脈硬化症、切り傷、火傷、慢性皮膚炎などに効果があります。

   該当する温泉地は登別温泉(北海道)、鳴子温泉、山中温泉(石川県)、山代温泉(石川県)、栗津温泉(石川県)、箱根温泉、熱海温泉(静岡県)別府温泉などです。

3.硫黄泉

  ・泉質は遊離炭酸ガスや硫化水素を含まない「硫黄泉」とそれらを含む「硫化水素泉」があります。お湯から立ち上がるガスを吸い込むと痰が切れやすくなるため「痰の湯」

  と呼ばれています。

   効能は慢性皮膚病、慢性婦人病、切り傷、糖尿病、高血圧(硫化水素泉)、動脈硬化症(硫化水素泉)、などに効果があります。

   該当する温泉地は乳頭温泉(秋田県)、鳴子温泉、万座温泉、白骨温泉(長野県)、箱根温泉、別府温泉などです。

4.二酸化炭素泉

  ・泉質は二酸化炭素を含む温泉であることから、入浴すると身体に二酸化炭素の気泡が付着して皮膚から体内に吸収されるため、血管が拡張して血液の流れを促進する効果

  があります。

   効能は高血圧、動脈硬化症、切り傷、火傷などに効果があります。

   該当する温泉地は別府温泉です。

5.放射能泉

  ・泉質はラドンという放射能を一定以上含む温泉であることから、特に痛風に効果があり「痛風の湯」と呼ばれています。

   効能は痛風、動脈硬化症、高血圧、慢性胆嚢炎、慢性皮膚病などに効果があります。

   該当する温泉地は有馬温泉(兵庫県)です。