下肢静脈瘤について

 下肢静脈瘤とは足から心臓に向かう静脈の特徴である血管内の血液逆流防止弁が必要以上に開いていたり、壊れたりして下肢静脈の血液が血管内に貯まって瘤が出来たり、血管がボコボコに膨らんでしまう病気のことです。

 下肢静脈瘤になり易いのは、いつも足が浮腫んでいる、便秘がちである、足がつり易い等の症状がある人、また仕事で座っている時間が長い人や妊娠経験のある人に多いようです。

 下肢静脈瘤の症状は、まず下肢静脈の血管がボコボコに膨らんで見えることから始まり、重症化すると足がつり痛くて目が覚める、常に足が浮腫んで足が冷えている、常に足が痛い・かゆい・だるい・重い・疲れている、足に瘤ができる、足の皮膚に変色や潰瘍(火傷の痕に類似)ができるなどである。

 軽度から中程度の症状に対しては次のような改善法を行うことで、症状の悪化や再発防止の効果が期待できる。

 一つめはふくらはぎマッサージです。このマッサージ法は下肢静脈内に貯まった血液を直接心臓に送ることができるため、高い効果が期待できます。

 その要領はまず体育座りの姿勢になり、左右の手で左右の足に対して親指を外側、四指を内側にしてふくらはぎを1秒ほど圧迫する。この圧迫法を足首から膝の間を五箇所に分けて1回ずつ行うことを1セットとして10回/1日に行う。。尚、このマッサージはお風呂の中で行うと更に効果がアップできる。

 二つめは着圧ソックスを利用することです。この着圧ソックスはふくらはぎの筋力をサポートして静脈を締め付けることで血液の流れを促進することができます。これはデスクワークで運動不足の人に効果が期待できます。

 三つめは腹式呼吸スクワットです。これは腹式呼吸で横隔膜を動かすことでふくらはぎの血液を心臓に吸い上げることができるため、下肢静脈の悪化を防止するのに効果が期待できます。

 その要領はまず椅子に座った姿勢で鼻から3秒かけて息を吸いながら両手を挙げて立ち上がる。次に口から6秒かけて息を吐きながら両手を下げて椅子に座る。これを1セットとして5回/1日行なうと効果が期待できます。

 四つめはポリフェノールを接種することです。ポリフェノールには血管を強化して浮腫みを防止する効果があります。

 ポリフェノールを多く含む食品には赤ワイン、コーヒー、チョコレート、ブルーベリーなどがあります。これらについては毎日摂取し続けることで高い効果が期待できます。

 下肢静脈瘤の症状は下肢静脈の血管が膨らむことから始まり、悪化すると血管に瘤ができたり、皮膚が変色や潰瘍が出来たり、生活に支障が出るような症状(足のつり・浮腫み・痛み)などを感じるようになった際には、早めに医師に相談されることをお勧めします。