なぜ冷え症は女性に多いのか その理由とその対処法について
当院でも冷え性を訴えるのはほとんどが女性です。
なぜ冷え症は女性に多いのかは、女性の体の特徴にあるようです。
そのひとつは男性に比べて筋肉量が少なく、皮下脂肪が多いということです。体の体温は運動時に筋肉が熱を発することで生まれるのです。つまり、筋肉量が少ないと発生する熱量が少ないため体が温まりにくいのです。また皮下脂肪は外気の寒さから身を守るため、外気を体内に伝えにくくするためのものであるため、一度冷えてしまった体は外から温めても体内は温まりにくくなっているのです。結果冷え症になりやすくなり、手足や体が冷える等の不調が起こります。
対処法としては毎日きちんと歩行運動をすることで、筋肉量の多い下半身の衰えを防止しましょう。
ふたつめは子を産むための内臓(子宮や卵巣)を有していることです。この内臓への血流が寒さ等で悪化すると冷え症になり易くなり、生理痛や月経不順等の不調が起こります。
対処法としては、食事で鉄分を補給して貧血を防止しましょう。ちなみに鉄分の多い食品はレバー、貝類、ひじき、小松菜、ほうれん草、大豆類です。尚、鉄分の吸収を高めるにはビタミンCを一緒に摂り、よく噛んで食べると良いようです。逆に吸収を妨げる食品にはタンニンを含む緑茶やコーヒーがありますので、これらは食後2時間程度開けてから飲むようにしましょう。
みっつめはある年齢になると女性ホルモンの分泌が少なくなるということです。その結果自律神経に乱れが生じて冷え症になり易くなり、体温の調節が難しくなったり下痢をする等の不調を起こします。
対処法としては、私が勧める入浴法(先月号参照)を実践することで自律神経の改善をしましょう。
よっつめは寒い中でのスカートや体を締め付ける下着の装着、更にダイエット等の流行を追い求めていることです。その結果、体の血流が悪化して冷え症になり易くなり
手足の冷えやしもやけ等の不調が起こるのです。
対処法としては、体を締め付けず、冷やさない服装に心がけ、更にビタミンやミネラルを含めた栄養バランスの良い食事をしましょう。