乳酸菌の働きについて

 乳酸菌とは微生物の一種で、炭水化物などを発酵させることで乳酸を産生させる菌の総称です。

 乳酸菌は人の腸内に棲息し、人にとって有益な働きをすることから善玉菌といわれています。

 一般的な乳酸菌は腸内で乳酸を産生して腸内を酸性に保つことで、大腸菌やウェルシュ菌などの悪玉菌の繁殖を抑え、便秘や下痢の改善やコレステロールを低減したり、腸内に存在する免疫細胞を活性化することで感染症のリスクを下げるなどの働きをしています。

 また、一部の乳酸菌には食後血清尿酸値を低減(PA-3株)、胃内

ピロリ菌の活動抑制(OLL2716株)、高齢者の高血圧低減(L,カゼイ・シロタ株)、内臓脂肪の

蓄積抑制(ガセリ菌SP株)などの働きをするものもあります。

 一日に必要な乳酸菌摂取量の推奨値は決められておりませんが、一説によると腸内の乳酸菌量を維持するためには100億個以上の乳酸菌を摂取することが望ましいと言われています。ちなみにヨーグルトは1gあたり1000万個の乳酸菌が含まれているため、毎日200g摂取すると20億個の乳酸菌が確保できます。

 乳酸菌の摂取量が不足すると、便秘や糖尿病などの生活習慣病のリスクが高まります。

 乳酸菌は過剰に摂取しても問題はありませんが、乳酸菌を多く含む食品には糖質や脂質、人工甘味料などが含まれているため、過剰に摂取すると病気になるリスクが高まります。

 腸内環境を良い状態に保つには、腸内の乳酸菌は一定期間存在しても住み続けることがないため、乳酸菌を多く含む食品(ヨーグルト等)や乳酸菌飲料(ヤクルト等)及び発酵食品(キムチ等)を毎日摂取することが重要です。更に腸内に元々存在している善玉菌の栄養源を確保するため、水溶性食物繊維を多く含む食品(昆布等)やオリゴ糖を多く含食品(玉ねぎ等)を摂取することも重要です。

 乳酸菌を多く含む食品は次の通りです

  ①食品・・・ヨーグルト

  ②乳酸菌飲料・・・ヤクルト、カルピス

  ③発酵食品・・・ぬか漬け、キムチ、納豆、チーズ、味噌、醤油

 善玉菌の栄養源となるものを多く含む食品は次の通りです。

  ①水溶性食物繊維・・・昆布、わかめ、こんにゃく、里芋、ゴボウ、アボガド、オクラ、モロヘイヤ

             ニンジン、オートミール、全粒粉

  ②オリゴ糖・・・玉ねぎ、ゴボウ、ニンニク、バナナ、豆腐、黄な粉、枝豆、アスパラ、ブロッコリー